自己実現を叶えるヒント『60分』第3回 菊池税理士事務所〜後編〜

前編からの続きになります。

まだお読みになってない方は、
中小企業の三つの在り方 『60分』第3回 菊池税理士事務所〜前編〜
ぜひこちらから先にご覧ください!

みんなでゴールに向かうチーム戦

津田:「先生は今、税理事務所を経営しながら、複数の会社の経営者として、いろんな立ち位置で、いろんな業界の人とお話されてる。
その知識や経験を活かして、経営アドバイスをされてるんじゃないかと思うんですけれども、実際にいろんな業種の会社を経営することで、考え方は変わりましたか。」



菊池:「 日本の企業全体の97から98パーセントが中小企業であると言われてるんですよね。ゆえに、日本は中小企業で支えてられていて、中小企業の価値が高い。
なのに「中小」と言われる理由は、弱いというか、偏っているというか。技術力はあるけれども経営力がないとか、経営力はあっても長期的ビジョンに欠けて、お金の使い方が悪くて伸びなかったとか。
だからチームで戦うしかないなと。経営全体から見て、必要な要素を全部カバーできる人って、なかなかいないじゃないですか。
ゴールにみんなで向かっていくのが、中小企業の経営と将来だと。」


津田:「我々もね、人生の後半にかかってきたわけじゃないですか。社会貢献というか、日本の経営者や人たちに何か残してあげたいと思っているのですが、そのためには自分たちが『あの人みたいになりたいね』と思われんといけんですよね。
あの人たちみたいになりたいね、あの人たちのやっていることはすごいね、と言ってもらえるようなことをする。
そして、それをみんなでできるといいですよね。」


自己実現を全て叶えるヒント

津田:「昨年、DX化を目指して新たに3S活動に取り組まれたじゃないですか。その結果や感想をいただいていいですか。」


菊池:「昨今言われてるDX、それは皆さんおそらく共通で良い取り組みだと思われてるでしょうが、うまくいかないことが多い。 
今回思ったのは、その原因は3Sをやってないからですね。 
うちで津田さんにお手伝いいただいて3S活動に取り組んで、ペーパーレスはほぼほぼできてる。何か新しいことをしようと思うと、頭の中も物理的な会社の環境も一旦整理整頓しないと。
それをせずに次々組み立てたところで、無駄なものや、効率が悪いところが出てくる。
やっぱりDXと3Sは間違いなくセット。」


津田:「根本的に整理整頓ができていないと、いろんなことが難しいという話はよく聞きます。
先生がDX化に取り組まれたのは、他社との差別化だと思っていて。
その他、何か特別に取り組んでいるとか、これだけは絶対外せないというのを教えていただければ。」


菊池:「うちでは企業理念の中に、自己実現というのを入れているんですよね。
会社というのは個々が生活の糧を得るために来ているところで、一人一人の人生の主役は自分なので、仕事で疲弊して何とか生活の糧を得ていた、と年を取り終わっていくのは違うから。
だから、うちの会社にいる人は、自分のあるべき姿というものを考えたうえで業務をしましょうと。
それができれば、クライアントに対するアドバイスも質が変わってくると思うんですよね。」


津田:「先生のところで働く人たちは、生活の糧としてサラリーをもらって帰るのがメインではない、それだけを求めるわけではないと。」


菊池:「資本主義の話になってくるんですけれども、資本主義というのはそもそも資本家が労働者を集めて、これだけの賃金を払うからこれだけのことをやってくれという契約があって、明らかに資本家の方が有利なんです。 
資本家が作ったルールの中で、労働者は生きていくために頑張るんだけれども、気が付くと資本家に利益を搾取されてる。一般企業もぶっちゃけそうじゃないですか。 


けど、中小企業のいいところは、従業員さんの意思が分かれば、皆さんのできるだけいいようにするわ、とすることができる。
お金が欲しいですという人もいるし、 給与はそこそこでも時間が欲しいですという人もいる。
そこでDXの話につながるんですけど、『いや、どっちもあげれるんですね』みたいな。
クラウド会計であったりとか、生成AIであったりとか、発想力でどうにもなるかもしれないというヒントがある。
そこをちゃんと考えながらみんなで動ける組織にしたいというのが僕の思いなので、年に何回かみんなに聞いてます。どうしたいのか。前はこうだったけどどう?とか、どれだけできているかは別で、それをいちいち聞きます。」


津田:「それで変わりましたか?」


菊池:「変わりますよ、全然。
同じように、100の仕事があって100の結果が出たとしても、そのプロセスだったり、やったことに対する効果は全然違うと思います。
僕も含めてみんなの自己実現には自己責任が伴うので、やるかやらないか、どこまでやるかというのは、自分で決めないと、いう感じのベースはあると思います。」

日本に陽が昇るとき

津田:「先生は新しい情報、新しい出来事にすごく敏感ですぐに掴みに行って、試す機会があれば試して、痛い目を見たりぶつかったりしながら、なおかつまたチャレンジして。
まだまだ勢いは止まらないじゃないですか。どこに到達点を求めてらっしゃるんですか。」


菊池:「到達点は、よりベターな、としか言いようがなくて。それが成長や進化ということだと思うんですけど。
感覚も時代もどんどん進んでいるので、それにどれだけついていけるかというだけで、てっぺんを目指しているわけじゃなんいんです。」


津田:「時代は必ず新しくなって、進化したものの中でも必要なものが残っていく。どんどん取り入れていかないと、時代遅れになりますよね。
失われた何十年とかって言われてますけど、以前は世界の企業50社の中に半分くらい日本の企業がいたのに、今はもう3社くらいじゃないですか。
昔のやり方に固執して、新しいものを受け入れる力がないのが原因なのか。」


菊池:「俯瞰してみたときに、2つ大きな要因があると思っていて、 1つは世界経済システムの中で、日本の役割がこういうふうにデザインされていた可能性。もう一つがGHQが何をしたかという話になると思います。 


津田:「日本人は奢った視点で上から見ていたような気がするんですよね。
そうは言っても、抽象度を上げた経営者がたくさんいれば、まだまだこれから新しいビジョンを持って進んでいける明るい兆しがあるんですよね。」


菊池:「気づいた経営者、ないしは上を目指す経営者がチームで戦えば、日本は多分、5年10年後にはまた陽が昇るが昇るんじゃないかなって。」


津田:「いいですね、その言葉がいい。」


菊池:「僕たちは学んだことを後進の人たちに彼らのクリエイティビティを邪魔しないようにお伝えしていかないとですね。
一般的に30代40代って上の人たちに取り入るテクニックを覚えてて、創造性を発揮しようと思うとそれが邪魔になっちゃうんですって。僕たちが引退する頃に日本を引っ張っている人たちを、しっかり今のうちに温めていかないと。
僕は高校生に対しても、『何でもできるぜ』っていう活動もしてます。」

一旦、全部否定する

津田:「最後に、中小企業の経営者に先生から伝えたいことはありますか。」


菊池:「今僕がプログラム化しようと思っていることがあって。次世代経営者育成プログラム。
貧乏な人はいつまでたっても貧乏ですよ、お金持ちはどんどんお金持ちになりますよっていう二極化の時代なので、そのマインド、頭の中の何が違うかっていうのを気づいてもらいたいなと思っていて。
現状の生活の中で見えるものじゃないんです。
見えているものが貧乏な視点だからいつまでも貧乏だし、見えている視点がお金持ちの視点だからお金持ちになる。

じゃあ僕たちがどう進化すればいいかというと、現状のものを一旦否定する。
今流れている情報っていうものを一旦全部否定してみる、権力とか価値があると言われているものを否定してみる。
それをしないと、前提としてクリエイティビティは発揮されない。
まずその今あるものを否定してみる。もう自分でさえ。 

それでもうちょっと勉強していろんなものを頭に入れた上で、 これとこれ足したらこんなことできるねとか、この人とこの人がこんなことできるんじゃないかっていう発想力を研ぎ澄ませば、多分、日本復活までには10年かかんないと思う。」 



津田:「足し算とか掛け算の創造。こういったところを目指していくと成功に繋がりやすいってことですかね。」


菊池:「そうですね。成功の基本というか、いわゆる成功哲学ってよく言われるものの一部だと思うんですけど。」


津田:「これまで先生とよくこういう話もしてきましたが、今日はこの20年間をまとめたような内容で、
私も頭の整理ができて、反芻するのに良い機会になりました。ありがとうございました。」


菊池:「津田さんみたいな人がいるから僕もこういうふうな話ができるし、ありがたいな、感謝しないとなと思いました。
偉そうに喋ってますね、僕ら笑。
こういう人たちは他にもきっといるから、その人たちみんなで何をやっていくのっていうステージに、今年からはいかんといけんなと。
さっき言ったプログラムも早く組み立てて、偉そうに語るのであれば、有言実行じゃないですけど、山にこもって50年修行しても町へ出て教えを説かないと。そんな気分です。」







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