加工技術を支える ― 測定がつくる信頼
津田製作所では、主にアルミ・鋳鉄・ステンレス・鉄などの金属を、精密に切削加工しています。
図面に「位置公差±0.01mm」といった厳しい指示が書かれていることも珍しくありません。
お客様に安心していただくために、精度をきちんと測って証明することが欠かせません。
こうした精度を保証するため、“削る技術”と同じくらい“測る技術”に力を注いでいます。
1/10ルールで選ぶ、測定機器のこだわり

計測現場には、
ノギスやマイクロメータといった基本的な工具の他、
三次元測定機(CMM)、形状測定機、粗さ測定機などを揃えています。
社内のルールで、「図面公差の1/10を測れる機器を使うこと」と徹底していて、
例えば、±0.01mmが指定された場合は0.001mm精度の機器を使用します。
複雑な形状の座標も自動で測定してくれる「三次元測定機」を使うと、
再現性の高いデータが取得できます。
測定環境を整える
正確な測定には、機械の性能だけでなく、環境も重要です。
小さな異物が大きな誤差につながるのを防ぐため、
測定前には必ず、製品のホコリや油膜を取り除き、
ワークはエアブローやクロスで丁寧に拭き上げています。

季節や外気に左右されない安定した結果を出せるよう、温度管理にも十分に気をつけています。
一年中20℃に保った恒温室で、
ワークと機器を十分に温度慣らししてから測定を行っているのです。
二重確認とクロスチェック

測定機から出た数字が必ず正しいとは限りません。
そのため、「三次元測定機で確認した寸法をマイクロメータで再測定する」など、
異なる測定方法でのクロスチェックを行います。
この二重確認を行うことで、測定者のクセや偶発的なエラーを防ぎ、
加工現場に確実なデータを渡すことができます。
品質保証部門の役割

品質保証部門は、加工現場と設計意図をつなぐ「橋渡し役」です。
当社では、品質保証部門が中心となって全ての測定結果をチェックし、
妥当性を確認したデータだけを、正式な”合否判定”として現場にフィードバックします。
測定は単なる検査作業ではなく、「お客様との信頼を守る活動」なのです。
測定の未来。デジタルとAIの可能性
今後は測定データのデジタル化と一元管理をすすめ、トレーサビリティを強化していきます。
蓄積されたデータを解析することで、不良の早期発見や設計改善へのフィードバックが可能になり、
さらに、AIや非接触測定技術も取り入れ、
「削る」と「測る」の両輪を進化させることで、より確かな品質保証体制を築いていきます。
計測とは「信頼を数値で示す営み」
計測はただ数字を確認する作業ではなく、「信頼を数値で示す営み」です。
現場のひとつひとつの取り組みと積み重ねを大切にし、
お客様に「この会社なら」と思っていただけるよう、安心して任せていただける品質をお届けしていきます。
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