材料費?加工費?精密部品製造のコストバランス

見積りのカギ“材料費vs加工費”
部品加工を依頼される際、多くのお客様が気にされるのが「材料費が高いのか、それとも加工費が高いのか?」という点です。
精密部品の見積りでは、この二つの要素が大きく影響します。
今回は、現場でよく直面する“コストバランスの考え方”を、私たちの経験を交えてご紹介します。
材料費が効いてくるケースー高価な材料ー
ステンレスや特殊鋼などの高価な材質を使う場合、部品の形状がシンプルでも、材料そのものが高いため、全体コストを押し上げます。
- ステンレス:加工性は良いが材料費が高い
- 特殊鋼:強度や耐熱性に優れるが、入手性やコストに課題
このように「材料を選んだ段階でコストが決まってしまう」ケースは決して珍しくありません。
ですので、設計段階から材料選定についてご相談いただけると、より無駄のないご提案が可能です。

加工費が効いてくるケースー加工精度
一方、アルミなど安価な材料でも、
図面に「位置度0.01」「穴ピッチ±0.01mm」といった厳しい公差があれば、加工に多くの時間と技術が必要になります。
加工だけでなく、
- 高精度が求められる面や穴加工
- 複雑な3次元形状の削り出し
- 検査工程の増加によるコストアップ
といった仕上げや検査の工数も増えるため、
最終的に加工費が大きな割合を占めるケースも多いのです。
また、安い材料を選んだからといって安心とは限りません。
鋳造や鍛造素材を使う場合、形状や材質にばらつきが出ることがあり、
それを補正するために余分な時間やコストがかかることもあります。
当社では
「設計段階でのリスク評価 → 生産方式の確立 → 工程内品質保証 → 最終品質保証体制」
によって、こうしたリスクを抑えています。

材料費と加工費はトレードオフ
実際の現場感覚では、材料費と加工費はトレードオフの関係にあります
- 加工しやすい高級材を選ぶ → 材料費は高いが加工費は下がる
- 安価な材料を → 材料費は安いが加工費は増える
「材料は安く抑えたけど、加工に手間がかかって結局コスト高になった」というパターンは珍しくありません。
逆に「材料費はかかるけど、加工がスムーズで結果的に安く済んだ」ということもあります。このあたりのバランス感覚は、現場を経験してきたからこそ見えてくる部分だと思います。
コストバランスを見極める!
重要なのは「全体でどちらが得か」を見極めることです。
- 多少材料費は高いが、加工がスムーズでトータルで安く仕上がるケース
- 材料は安いが工数がかかりすぎ、トータルで高くなるケース
のどちらも数多く経験しています。
こうした実例を踏まえて、お客様の用途やご予算に合わせて
「どの材料で進めるのが最適か」「どの加工方法ならリスクが減るか」を一緒に考えることを大切にしています。

材料と加工でワンセット
コスト最適化の近道
精密部品のコストは「材料費か加工費か」の単純な二択ではなく、そのバランスが大切です。
現場で培った知見を活かし、最適なコスト設計を提案するのが私たちの役割です。
図面がしっかり決まっていなくても構いません。
「この材料で本当にいいのか?」
「別のやり方ならもっと安くできるのでは?」
そんな疑問があれば、どうぞお気軽にご相談ください。
材料と加工の両面から検討することで、無駄のない「ものづくり」を実現します。
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