究極のハンドリングマシン!広島工業大学 学生フォーミュラ参戦記

広島工業大学、学生さんたちの挑戦
津田製作所では、広島工業大学学生フォーミュラチーム「HIT Formula Project」の挑戦を、
部品の切削加工でお手伝いさせていただいています。
チームが毎年エントリーされている「学生フォーミュラ日本大会」、
第23回となる今年は、2025年9月に愛知県のAichi Sky Expoで開催されました。
日本中の学生たちが、自分たちで設計して作った車で競う大会です。
なんとこのたび、チームとして6年ぶりとなる「エンデュランス(耐久走行)」完走!という快挙を達成したと、
ご報告をいただきました!!

学生さんたちが作った、こだわりの「CR-25」
今年のマシン「CR-25」は、"スラロームを最速で駆け抜けることができる究極のハンドリングマシン"を目指して開発されました。


タイヤとサスペンションをつなぐ「アップライト」という部品があり、
車が曲がるときやブレーキをかけるとき、この部品にものすごい力がかかります。
少しでもズレがあると、タイヤの角度が狂って、思い通りに曲がれなくなるのです。
この部品の加工を、当社にお任せしてくださっているのですが、
学生さんたちが何度も設計を重ね書き上げた図面をいただいて、
「これは絶対に形にしなくては」と身が引き締まります。
「軽くしたいけど、強度は絶対に必要」 「予算も限られているから、できるだけコストを抑えたい」 「でも、性能は妥協したくない」
そんな想いを聞きながら、どんな材料を使うか、どんな加工方法がベストか、一緒に考え、
試作品を作り、確認して、調整。
学生さんたちの熱意に応えたくて、私たちも全力で取り組みました。

そして完成した車体は、全チーム中で最も軽い、約180.0kgだったとのことでした。

トラブルを乗り越えて、6年ぶりの快挙!
大会では、まず車検に合格しないとレースに出られません。
これを通過するのには多くのチームが苦戦するそうなのですが、HIT Formula Projectは2022年以来となる車検全通過を達成。
でもこの後の動的走行で、
マフラーのアウターカバーに割れが生じるというトラブルがあり、
現地で修理して、もう一度検査を受けたそうです。
結果、仕上がりは破損前よりも良好なものとなったとのことでした。
大会のメインイベント「エンデュランス(耐久走行)」は、
長い距離を走り続ける、車にとっても学生さんたちにとっても過酷な競技です。
『本年度の挑戦は、様々な課題に直面しながらも、チーム一丸となって乗り越え、数年ぶりとなるエンデュランス完走という大きな成果を得ることができました。また、MathWorks賞も受賞できたことや、チーム史上過去最高得点と最高順位を獲得することができ、非常に充実した大会となりました。』
(HIT Formula Project 2025年度 大会報告書 総括 より抜粋)
CR-25は最後まで走り切りました。

学生さんたちから学ぶこと
毎年、学生さんたちからはたくさんのことを教えていただいています。
トラブルにも負けず、仲間と協力して問題を解決していく姿。
限られた時間と予算の中で、最高のものを作ろうとする情熱。
何度も何度も試行錯誤を重ねて、諦めない粘り強さ。
私たちものづくりの現場でも、一番大切にしたいことです。
学生さんたちの真剣な姿勢に触れて、「もっと良いものを作りたい」「もっとお客さんの想いに応えたい」と、改めて思います。




これからも応援します!
6年ぶりの完走、そして車両開発への取り組みが評価されてMathWorks賞 第3位受賞。HIT Formula Projectの皆さん、
改めておめでとうました!
津田製作所は、広島の工場として、いろんなものづくりに携わらせていただいていますが、
未来のエンジニアを目指す学生さんたちの挑戦をお手伝いできることを、本当に嬉しく思っています。
「こんなもの作りたいんです!」 「こんなことやってみたいんです!」
そんなやってみたいを技術で形にするお手伝いも、私たちにできることです。
これからも、若い人たちの夢を応援する工場でありたい。
そして、日本のものづくりの未来を、一緒に作っていきたいと思っています。
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