技術紹介vlog/津田製作所60周年記念テープカッター2

前回の「技術紹介vlog/津田製作所60周年記念テープカッター1」からの続きです。



詳しい経緯や内容は過去の全4回のブログをご覧ください!

自主製作プロジェクトへの挑戦(1)【津田製作所60周年記念】
自主製作プロジェクトへの挑戦(2)【津田製作所60周年記念】
自主製作プロジェクトへの挑戦(3)【津田製作所60周年記念】
自主製作プロジェクトへの挑戦(4)【津田製作所60周年記念】

気づかない所にこだわる

誰でも安全に使える“ロック機構”

前回のブログで合体構造になった経緯について書きましたが、
当初は、ベースと本体を物理的に固定するのに、「手動ロック式ストッパー」を採用していました。

しかし社内から、
「ロックをかけ忘れて落下してしまわないか」
「わざわざロックをかけ直すか?」
「手で持った状態で外れたら怪我をするかもしれない」
といった意見があがり、安全性と利便性を兼ね備えた再設計を開始。

この機構は、自動車のカムシャフトの動きからヒントを得たもので、
装着時にはロック部が自然に回避動作を行い、組付け完了と同時に「カチャン」と確実にはまります。


精度設計で追求した“気持ちのよいはめ合い感”

こだわったのは、“気持ちよく脱着できる感触”です。

この感触は、部品加工精度と「はめあい公差」の最適化により実現しています。

いわゆる「H7/g6」のような定番公差ではなく、当該形状に対する手触りと応力伝達を想定した、
現場ノウハウに基づく実践的な公差設計を施しました。

【キツくもない、ユルくもない、ちょうど気持ちの良い感触で脱着できる】
これは量産設計でも特注開発でも応用可能な、“現場フィッティング技術”です。


遊び心、技術者らしさ

記念品としてのテープカッター作りはいったん完了したのですが、
むしろ現場では、

・カッター刃の高さ最適化(切れ味の向上)
・回転中心軸の再構成(部品点数削減と組付け性向上)
・重量バランスの再検討(操作性と安定感の最適化)

など、継続的な改善提案が挙がっています。


現場からのアイデアには、
技術者ならではの「発想の逆転」「製造現場の応用力」「こだわりの精度感」が詰め込まれています。

このテープカッターは、贈答品でありながら、私たちの“技術力”と“挑戦心”を語る名刺でもあります。
考え抜き、工夫を凝らし、チーム全員で形にしていく。
小さな製品に宿るのは、60年分の信頼と誇りです。
これからも津田製作所は、削りの可能性を信じ、誰も見たことのないものを形にしていきます。

お知らせ

今回、このテープカッターを数量限定(在庫3台)のみ、販売することといたしました。
ご興味のある方は、当ホームページ記載のメールまたはお電話にてご連絡ください。
(価格:税込30,000円/国内送料込)









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